転職は資格なしでも可能か
転職をするためには資格があった方が有利であることに間違いはありませんが、今からコツコツと資格を取っている時間がないという方も多いと思います。
そこで、まずは自分が転職しやすい業種を選択することが重要になってきます。
資格がない上に経験も全くない業種への転職は、かなり難しいと言わざるを得ません。
採用担当者の目を引くには、ほかの人とは違った技術や知識、経験を持っている必要があるからです。
同業種に転職する
今の職場に不満があって転職する時には、もっとも有効な手段です。未経験者に比べれば、はるかに採用される確率が高くなります。ただし、勤務期間が1年未満の場合には経験として認められないこともあるので、最低でも1年以上は勤めた上で、転職のために動き出した方が賢明です。
面接時には、これまで自分が経験してきた実務内容を、積極的にアピールしていきましょう。1年でも2年でも、継続して勤務していたのであれば、それは立派なキャリアです。自信をもって面接に挑んでください。資格がないことを負い目に感じる必要はありません。これまでに経験してきたこと全てがアピールポイントになります。
資格がないことを逆にアピールするという手もあります。「もし私を採用していただいた場合、将来のために取得しておいた方が良い資格はありますか?」と聞いてみるのです。できるだけ積極性を前面に押し出して、面接官に好印象を与えましょう。面接では転職の理由も聞かれると思いますが、この時にネガティブな返答をするのは避けましょう。
特に「人間関係」を転職理由としてあげるのは絶対にNGです。資格のあるなしに関わらず、転職先でも再びトラブルを起こすのではないかと疑われてしまいます。転職の理由が給与や勤務体系についての不満であれば、特に問題はないでしょう。
資格があっても特段に有利にはならない
転職に必要なのは経験
転職では大事なのは経験です。したがって、業務上どうしても資格が必要になる医師や弁護士、ファイナルシャルプランナーなどを除けば、何よりも、どのような成果を出せるのかということが重要になります。
いくら資格を持っていても、その分野での実務経験がなければ、ほとんど意味がありません。転職市場で求められている人材は基本的に「即戦力」であって、資格保有者ではありません。転職において資格を有利に使いたいならば、これまでの実務経験にリンクした資格を取る必要があります。
いずれにしても、実務経験とスキルレベルを客観的に証明するものが資格であって、資格があればそれだけで転職がスムーズに進むということはありません。
アピールが逆効果になる資格も
実務経験がなく資格だけ持っているという場合には、いくら保有資格をアピールしてみたところで、面接官に「資格があればなんとかなると思っている人」と思われて終わりです。保有している資格に一貫性がないというパターンもよくありません。保有資格の欄に記載する以上は、面接でその資格について尋ねられる可能性あります。
その時に資格を取った理由やなぜこれまでその資格を生かせなかったのかを合理的に回答できなければ、印象は悪くなってしまうでしょう。
また、簿記3級や英検2級といったレベルの「それほどたいしたことのない資格」は書かない方が無難です。ズラズラと「たいしたことのない資格」が並んでいる様は「何をやっても中途半端」という印象を与えてしまう可能性さえあります。
履歴書はできるだけシンプルに仕上げましょう。たいしたことのない資格は書かない、移動歴なども不要です。その分、職務経歴書には、これまでに経験してきた実務に関して、厚いボリュームで書いてみてください。繰り返しますが、大事なのは資格よりも豊富な実務経験があり、即戦力として役に立つ人材なのです。